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夏のむくみを解消しよう

夏は冷房のあたり過ぎや冷たいものの摂りすぎといった生活からむくみやすくなる季節です。
そもそも、なぜ「むくみ」は起こるのでしょうか?
またむくんだまま放っておくと、だんだんむくみがひどくなったり、体が疲れやすくなるといった不調につながることもあるため、日頃からケアをして快適に過ごしましょう。

脚のむくみはなぜ起こる?

むくみには血液の流れが関係しています。
心臓から動脈を通って全身に送り出された血液は、末端にある血管に入り、静脈を通ってまた心臓に戻ることで循環しています。このとき体の中では、血液中の水分が血管と皮膚のあいだの細胞間にしみ出しています。
 
こうした水分が栄養を運んだり、老廃物とともに血管やリンパ管に戻されることで、通常は血管から出入りする水分の量が一定に保たれます。
 
しかし、何らかの理由でこの「しみ出す」と「戻す」水分量のバランスが崩れ、皮膚の下に余分な水分が溜まることでむくみが起こります。
こうしたむくみには、いくつかのパターンがあります。

皮膚の断面図

CHECK

むくみやすい生活習慣になっていませんか?

□運動する機会が少ない
□冷えた飲み物をよく飲む
□夏は冷房がきいた場所で過ごすことが多い
□素足で過ごすことが多い
□塩分が多く、味付けの濃い食べ物が好き
□お風呂は湯船につからず、シャワーで済ませることが多い

むくみは予防できる? ~パターン別セルフケア~

パターン① 下半身の筋力が足りていない

原因

下半身は心臓から遠いため血流が悪くなりがちです。
血流が滞ると血管内の圧力が高まり、それを下げようとして大量の水分が血管外へ出ようとするため、「しみ出す」「戻す」の水分量のバランスが崩れてむくみにつながってしまいます。
 

ポイント

第二の心臓と呼ばれるふくらはぎが、ポンプの役目となって心臓まで血液を戻す働きをしてくれます。この働きを促進すると、むくみ解消につながります。
「かかとの上げ下げ」「足首まわし」をしたり、日頃からこまめに体を動かす、できるだけ速足で歩く、積極的に階段を使ったりすることで、ふくらはぎの筋肉維持・強化するようにしましょう。

パターン② 味付けの濃いものを食べて塩分を摂りすぎる

原因

体にはもともと、体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあります。
塩分を摂りすぎると塩分濃度を調整しようと喉が渇き、水分を多く摂ろうとするため、血液中の水分量が増えてしまいます。
結果的に血液量が増えることで、血管外に過剰にしみ出して水分量のバランスを崩してしまいます。
 

ポイント

味付けの濃い料理はむくみだけでなく、血液量が増えることで高血圧にもつながるので注意が必要です。
健康のためにも日頃から減塩を心がけましょう。

パターン③ 水分を摂りすぎる

原因

暑い夏は特に水分をたくさん摂りたくなりますが、それも塩分の摂りすぎと同様に「しみ出す」「戻す」の水分量のバランスを崩すことにつながります。
逆に控えすぎも熱中症などを引き起こしやすくなるので注意が必要です。
 

ポイント

水分を摂るときに一度にがぶ飲みすると、排出処理が追いつかずに一時的に体内の水分量が増えすぎてしまい、むくみやすくなるため、こまめに摂るようにしましょう。

パターン④ 夏の冷房や冷たい飲み物による冷え

原因

冷房のあたり過ぎや、冷たい飲み物の摂りすぎといった、体の外側・内側からの冷えにより、血流やリンパの流れが悪くなることで、老廃物や余分な水分が体から排出されにくくなり、むくみの原因になります。
手首、首回りにも太い血管が通っており、ここが冷えると血液も冷えた状態で全身に回ってしまうため、冷やさないことが大切です。
また、特に足首まわりの冷えはふくらはぎなどの筋肉を固くし、ポンプ機能の働きを弱くしてしまいます。
 

ポイント

冷たい飲み物を飲むときは温かい食べ物を食べたり、靴下や長袖の羽織もの、ストールなどでカバーするなど、普段から冷えを防ぎむくみケアをしましょう。
 

Vivaceのバックナンバーでも冷え対策を紹介しています

むくみは解消できる?

おうちで手軽に行えるむくみケアをご紹介します。
日頃の生活に取り入れて、むくみと無縁の体をつくりましょう。

快眠効果も期待できる、手足ゆらゆら体操

1.あおむけになり、両手・両脚を垂直に上げる。
ひじ、ひざは緩めていてOK

2.両手・両脚を気持ちよくゆらゆらと揺らし、腕や脚の筋肉がほぐれるのを感じる。全身がじんわり温まり、寝付きやすくなるので就寝前にもおすすめ。

血液の流れをよくする あおむけで行う、自重マッサージ

1.あおむけに寝て、両ひざを立てる。

2.左ひざに右足のふくらはぎをのせて、前後に動かす。右脚の力は抜き、少しずつ場所をずらして「痛気持ちいい」場所を中心に行う。反対側も同様に行う。

むくみ解消によいツボにアプローチする

足三里(あしさんり)
内臓の動きを活発にして、体の中に溜まった老廃物の排出を促し、脚に溜まった疲れを和らげる効果が期待できる
 

押し方

親指をツボに当てて沈み込ませるような感じでゆっくり押す。痛気持ちいい強さが目安。
5秒押したら、5秒休む。これを左右それぞれ10セット。

血海(けっかい)
血行を促進して新陳代謝を活発化させ、体内の老廃物を排出し、むくみを解消する効果が期待できる
 

押し方

左右同時に、脚と同じ側の手でひざを包むようにして、親指でゆっくり3秒押す。10回程度を目安に。

三陰交(さんいんこう)
消化器をはじめとした内臓の活性化、血行の改善やむくみ、冷えの解消に効果的
 

押し方

親指をツボにあてて、ゆっくりと息を吐きながら押し、息を吸いながら指を離す。
強い痛みを感じない程度の力加減で、左右3回程度を目安に。

就寝前、就寝時の工夫

入浴タイムに…
湯船に浸かる&冷水シャワー

お風呂はシャワーで済ませず、湯船に浸かると全身がしっかりと温まるうえ、水圧によるむくみの改善も期待できます。上がる前には、足先や手に冷たいシャワーを数秒かけるのもおすすめ。血管が収縮してむくみを解消し、湯冷め予防にもなります。
脚全体や全身に冷水シャワーを浴びると冷えすぎて逆効果に。気持ちいいと感じる範囲で、無理なく行いましょう。

就寝時に…
脚を高くする

寝るとき、クッションなどを置いて脚が少し高くなるようにすると、血液が心臓に戻りやすくなります。

「食」の工夫で内側からアプローチ

暑い夏は、食欲が落ちてさっぱりした食事が多くなりがちです。しかし、例えば、麺だけのシンプルな食事や野菜だけのサラダなど、偏った食事を続けていると体の冷えは改善されないので、下記を参考に体を温める食事を心がけましょう。むくみ対策とともに、冷えを解消し、夏バテ予防にもつながります。
 

  • 体を温める食材を摂る
    • ・香味野菜…ねぎ、しょうが、たまねぎ、にら、にんにくなど
    • ・スパイス…胡椒、唐辛子、山椒など
  • 温かいメニューや飲み物を選ぶ
  • 筋肉の材料になるたんぱく質の多い食材(肉、魚、卵など)を毎食摂る
  • 麺類は、具だくさんのメニューを選ぶか、副菜を組み合わせる

 
Vivace moreのバックナンバーでも、夏にぴったりのそうめんレシピを紹介しています

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